長年絵を描き続けていると、自分の作品がどこまで通用するのか、客観的な評価が欲しくなりますよね。
そのためには…
公募展に挑戦してみたり、著名な画家に指導を仰いでみたり、さまざまな方法があると思います。
しかし…
「どこに出品すれば良いのか」・「誰に作品を見てもらえば良いのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんなあなたに、ぜひおすすめしたいのが白日会関西支部 絵画研究会です。
絵画研究会では、経験豊富な講師陣から丁寧な個別指導を受けることができます。
作品の構図や色彩、技術的な指導や作品制作に関する相談など、様々な視点からアドバイスを受けることで、あなたの作品は確実に成長するでしょう。
また、他の参加者の添削指導からも、新しい視点や刺激を得ることができます。
過去の参加者からは、「自分の作品の課題が明確になった」・「プロの視点からアドバイスをもらえて、モチベーションが上がった」といった喜びの声も多数いただいております。
この記事では、2024年1月に開催された、白日会関西支部 絵画研究会の様子を一部公開し、公募展に挑戦したいと考えているあなたに向けて、その魅力を余すところなくお伝えします。
作品の講評
タイトル:シーツマン
講評
まずは自画像を描いたという作品から。
インパクト十分で非常に象徴的。
背景の黒が影響して、背中側への回り込みが感じられない。
黒の中にも微妙な色の変化が欲しい。
顔が描かれていない。
鑑賞者はメッセージを受け取りたいが、そのヒントが少ない。
背景にその足掛かりを描いてもいいのではないか。
手を握ってみる。
絵画性が欲しい。
布が掛かっていることで匿名性を感じる。
インパクトがあり、美術館で見ると印象に残りやすい作品だが、その反面味わいに欠ける。
じっと見続けられる奥深さが欲しいが、単純に見えてしまうのでもう少し複雑さが欲しい。
黒に対する質‥闇であればその空間の深さ。そのためには具体的に物を描く。
背景と人物の関係が希薄。
顔が空洞なのか、黒の質。髪なのか、影なのか。わかりにくい。
頭を倒してみることも一つの方法。
アイパッドによる画像添削
手前に影を描くと空間が生まれる。距離を置いて人物が見えてくる。
手前(人物)に影を入れると、黒にも「背景の黒」と「布の影の黒」の2つの要素が生まれ、絵画性にもつながる。
しわの作り方。
左肩にしわの戻ってくる動きを作る。
頭頂部を少し削って俯いた感じにしてみる。
発表作品
初入選となりました。
タイトル:篠山城
講評
石垣と城を主役として明快にすべき。
絵の具の使い方に変化を。盛り上げる部分を作るなど。
川岸からお城までの距離が感じられないので、グレーの変化、温かみ、冷たさ、緑などを工夫する。
絵は作るものなので、絵にする工夫が必要。
水の表現、暗くする。空の表現。
絵の具による質感表現を考える。
本人の質問「鳥を入れたいが、入れた方がいいか?」
→ 要素は減らすべき。何を描きたいかが分かりにくくなる。
アイパッドによる画像添削
お城の映り込みの三角は不要では?
幾何図形は目立ちすぎるので、本来は映っているものだが、消したほうがいい。
発表作品
初入選となりました。
タイトル:空蝉
講評
要素が多いので整理したい。
主役を明確に。例えば、コンポートを大きく。
手前と布の距離感が欲しい。
見えるものと見えないものの差が強すぎる。
しっかり見て描いているがそれぞれが喧嘩している。
図と地の関係を考える。物と隙間の関係。
隙間の関係があまり見えてこない。
モチーフとモチーフが作り出す形を考える。静物画の魅力のポイント。
物の隙間に焦点を当てる。
絵は四隅の緊張感が大切。今中心しか見えない。
髑髏の意味。メメントモリ。
石膏の描写に難あり。
習作を描くべき。
アイパッドによる画像添削
背景には物の影を描かない方がいい。
うるさくなる。名画には少ない。
石膏はしっかり描く(石膏に対する評価は厳しい)。
モチーフの足元を見せる。距離感が明快になる。
描写力に問題なし。
発表作品
タイトル:明日を見る
講評
ベンチの石、風景、人物の描き分け。
距離感、緑の研究。
白い花とドレスの色との関係。
膝の位置。
手の形、面としての色で見る。
背景、空の色はどうか。
白い花の整理。
リズムを考える。
首の影。
背が高く見える。
頭から座面までに頭が4つ近く入っている。
3つ程度にする。
アイパッドによる画像添削
髪の動き。広がり。
目の高さ。低い。
前髪をとる。
足の人指し指が短い。
遠方の山を入れる。
足元の線を弱める。
うるさくなりやすいので。
発表作品
タイトル:在りし日の記憶
講評
本人曰く、完成度は3割。
木馬と人台の色合い。
ギターの大きさ。(ウクレレらしい)
ウクレレ、椅子が左に傾いている。
椅子の形。
本をそろえずにずらす。
人台に比べるとランプのサイズが小さいのでは。
床の板目がうるさい、左へ傾いている。
主人公は木馬らしい。
人形の位置はこれでいいか。
帽子の奥行き。
床の色よくない。
色と形の整理。
構図の不安定さ。
背景のグレーに色味があってもよいのではないか。
世界感。
トルソに服や布を掛ける。
色味がさみしい。
モチーフの選択に世界感を表すものが欲しい。
アイパッドによる画像添削
自分が表したい世界観を演出するモチーフの工夫。
人台を右に向ける。
帽子はよくない。首が短く見えるし美しく見えない。
組みあわせることで、より良く見せる。
椅子の足が作る四角の中心と座面の中心がズレている。
椅子に細いものがありすぎる。
隙間から見える距離感を表すことは難しくなる。
トルソの足元が見えない。
足は1本でもよい。
人形が落ちそう。
トルソの足元を見せる。
マンドリンは要らないのでは。
絵は引き算。
三角構図を考える。
組み合わさった物同士が上手くいくことを考える。
発表作品
タイトル:遠い記憶
講評
本人曰く完成度は3割。
顔は魅力的。
脚が気になる、肩の右と左に違和感。足首も骨折してるよう。
腰と膝までの距離感。
ソファでいいのか。
本人はダブルイメージにしたいらしい。
ベンチに変更したらどうか。
正中線の意識。
腰の位置とソファの座面の関係がおかしい。
あとからとってつけたよう。
色面構成も検討してみる。
ここはどこなのか。
現実世界にはない作りこんだ不思議な世界なのか、現実世界を描くのか。
決めておく方がいい。表現が曖昧にならない。
アイパッドによる画像添削
流木に座っていることにすればどうか。
世界観がわかりやすくなる。
流木の形は絵の中で作る。
特別な形に見えないようにする。(動物の形など)
ラベンダー系の空の色にする。
コスチュームの赤に響く青を考える。
風が吹いていることにして動きを与えることも。
発表作品
タイトル:希望
講評
人物に対して椅子が小さく見える。
背景の色味 → 陽の光が入ると魅力的に。
ドレスの色味、サイドテーブルのモチーフを整理することを考える。
グラスの色がドレスの色と被っている。→ グラスは必要か。
椅子の脚が見えない。不安定な印象を受ける。
グレーの色味を考える。
肌の色味に温かみが足りない。
燭台の色はどうか。黒すぎるのではないか。
アイパッドによる画像添削
頭が大きい。傾いだ頭パーツの関係。顎の位置。
胸が圧迫された感じになってしまっているので、右腕の角度を変える。
椅子の手前の脚を伸ばす。
燭台の位置が低いのでは?
嘘っぽくなっている。
巾木が強いので、白を加えて色味を弱める。
手の陰の背景を明るくする。
全体に色がくすんでいるので、ビビッドに。
靴にも明暗を。
発表作品
会員推挙となりました。
最後に
画像による添削指導がいつも行われるとは限りませんので、予めご了承ください。
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